〈今月の一脚〉2022.02

高名な椅子であっても自分にとっての「良いもの」であるとは限らない。

 

手入れをして大切に使ううちに自分の身体や生活に馴染み、

毎日のパートナーのように感じられる道具。

そんな椅子に出会えたら、それが最良かもしれません。

アーム、脚、背もたれ、座面。椅子を構成するすべてのパーツが曲木でできた一脚。しなやかにカーブを描く姿からは、「木」という素材の無限の可能性が感じられます。堅牢な作りと安定感のある佇まいに対して、片手で持ち上げられるほど軽量です。熟練の職人の丁寧な研磨加工により、触れた時に滑らかな木の風合いが感じられます。背中当たりもよく、ゆったりと、やさしく包み込まれるような掛け心地。椅子そのものの美しさはもちろん、人が腰かけた姿も上品に映ります。

ともに暮らし、時間を重ねていく

一生物の道具と出会えますように。