〈今月の一脚〉2022.01

高名な椅子であっても自分にとっての「良いもの」であるとは限らない。

 

手入れをして大切に使ううちに自分の身体や生活に馴染み、

毎日のパートナーのように感じられる道具。

そんな椅子に出会えたら、それが最良かもしれません。

二つの「U」が重なり、ボリュームを持たせた背もたれ。角度を付けて斜めに削る高度な加工による、美しく滑らかなアーチが印象的です。スベスベとした木の質感が心地よく、背に添うようにカットされた断面がやさしく体を受け止めてくれます。木のフレームはフィンガージョイントによりしっかりと接合。椅子としての耐久性も備わっています。シンプルな構成でありながら、「美しさ」「心地よさ」に繋がる工夫が随所に施された一脚です。

ともに暮らし、時間を重ねていく

一生物の道具と出会えますように。